赤ちゃんが初めて口にするものはお母さんの母乳や粉ミルクです。これらは大人の私たちが飲むスーパーに売っているパックの牛乳に似ているようで全く違います。
そのため、牛乳を与える時期は赤ちゃんにとって非常に重要なのです。
赤ちゃんに牛乳をあげるのはいつからOKなのか。飲ませ方はあるのか?
などの赤ちゃんと牛乳に関する疑問について見ていきましょう。

目次
赤ちゃんへ牛乳をあげるのはいつからOK?
赤ちゃんに大人の私たちが飲んでいるパックの牛乳をあげるのは1歳以降が良いとされています。火を通して離乳食に使うのは8か月頃からが良いとされています。
「粉ミルクは牛乳から作られているのに大丈夫なの!?」と、思うかもしれませんが母乳と同じような成分配合で作られていますし、栄養素の面でも過剰になりすぎないように調整されているのでそこまで心配はいりません。
なぜ1歳からと言われているの?
牛乳はカルシウムが豊富で健康的な飲み物だという認識だと思いますが、母乳や粉ミルクと違いタンパク質の分子が大きいため1歳前の赤ちゃんには腸に負担がかかってしまうのです。
それが、1歳になると消化器官がしっかりし始めるために牛乳をあげてもうまく消化できるようになってくるので牛乳をあげるのは1歳以降が良いとされています。
1歳になる前に牛乳をあげるのは危険?
赤ちゃんが1歳になる前に牛乳をあげるのは多少のリスクが伴います。以下、詳しく見ていきましょう。
鉄欠乏性貧血
牛乳はカルシウムが豊富だし健康のために飲ませたい!と思うかもしれませんが、その牛乳に含まれるカルシウムやリンが鉄の吸収を妨げてしまうために鉄欠乏性貧血になってしまう可能性があります。
鉄欠乏性貧血になってしまうと精神運動発達が遅れてしまう可能性があるので早くに牛乳をあげるのは危険です。
アレルギーの原因に
人の母乳が赤ちゃんの成長に必要な成分で作られるように、牛乳も子牛の成長に必要な成分で作られています。
人と牛では成長の速度や必要とされる栄養が違いますよね。例えば人の母乳は牛乳より脳の発達に重要な糖質が1.5倍ありますが、それに比べて身体の成長を促すタンパク質やミネラルなどは1/3しかないのです。
これは、牛より脳の発達が早い人間には糖質が早くから必要ですが、身体はゆっくり成長するためタンパク質やミネラルは子牛の約1/3で充分なのです。
そのため、このタンパク質やミネラルが必要以上に多く分子が子牛の吸収しやすい大きさになっている牛乳は、人間の赤ちゃんでは吸収できず異物とみなしてアレルギー反応が出てしまうことがあるのです。
牛乳初めて飲ませる時の注意点
1歳から牛乳をあげても良いと言われていますが、身体の発達や作りは個人差がありますしアレルギーにならないとは言い切れません。
そこで、いくつか注意点がありますので確認しておきましょう。
まずは少量でスタート
アレルギーの心配もありますので、初めは50ml程度の少量から始めましょう。様子を見て、お腹を壊すなどうんちに問題がなさそうであれば徐々に量を増やしていっても結構です。
牛乳の温度に気を付ける
消化器官がしっかりと発達している大人でも冷たい牛乳を飲むとお腹を壊してしまう人っていますよね。赤ちゃんの消化器官はもっとデリケートです。
そのため最初に牛乳を与えるときは消化器官になるべく負担がかからないように人肌に近い温度に牛乳を温めてあげましょう。
それが慣れてきたら室温程度に、それでも大丈夫そうであれば冷たい牛乳をあげても良いですが様子を見てあげることが大事です。
食前はできるだけ避ける
牛乳って大人でも1杯飲むと結構お腹が満たされますよね。赤ちゃんも同じです。牛乳は栄養が豊富ですが、食事から栄養を摂ることがこの時期はなによりも大事です。
そのため、食前に牛乳をあげることでお腹が満たされてしまうと食事を食べてくれなくなってしまうことも…。
食前でなくおやつの時間などにあげると良いですね!それでも一日の牛乳の量は多くても300~400mlにしておくのがベストです。
まとめ
物事には最適な時期があります。赤ちゃんに牛乳をあげ始める時期も同様で、それを見誤ると時に重大な危険にさらすことになるので注意が必要です。
とはいえ、あまり心配しすぎるのもよくありません。いくつか挙げた注意点を踏まえ、時期が来たら挑戦させても良いでしょう。
巷で言われている牛乳の良からぬ噂も聞きますが、とらえ方次第とも言えます。プラシーボ効果というのをご存知でしょうか?
とある実験で、同じ病気を患う被験者AとBに対して投薬が行われました。被験者Aに対してはその病気に効果のあるといわれる薬。一方、被験者Bに対しては、ただの糖衣(ラムネ菓子のようなもの)を与えます。
この時、どちらにも、「これはあなたたちの病気に効果のある薬です。」と伝えます。
すると、どのような結果が出たかというと、どちらも同様に病気の改善がみられたというのです。
このことから、人間の思い込みの力というのがどれだけ強いのかが分かります。これをプラシーボ効果と言います。
つまり、どうせ与えるなら子供に「牛乳は体に良くない」と言って与えるよりも「体に良いものだ」と言って与えたほうが良いと言えます。
これは、あくまでもそのご家庭によって意見が分かれると思いますので、1つの考え方としてとらえてもらえたらと思います。

